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『アマゾンと物流大戦争』を読んだのでビジネス別の配送方法を考察してみた

Camel

どうも、アマゾンヘビーユーザーのラクダ@motomotocamelです。
アマゾンプライム会員でもあります。

アマゾンの凄さといえば、豊富な品揃えと配送の速さです。
メーカーに勤めていると、膨大な商品数を間違えずに正確に届けるということの難しさはよくわかります。

そんなアマゾンの物流の凄さについて、物流コンサルタントをしている専門家が解説しているのが『アマゾンと物流大戦争』です。
アマゾンと楽天の物流システムの違いやオフィスグリコ、アスクル、カクヤスなど独自の物流方法で成功した事例をわかりやすく紹介しています。

本日は、物流の重要性が知れる『アマゾンと物流大戦争』について紹介したいと思います。

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要約

アマゾンが変える世界-経済の地殻変動が始まった

Everything Store と言われるほどなんでも買えるアマゾン。
そんなアマゾンが本屋であったことを覚えているでしょうか?
創業者であるジェフ・ベゾスが家のガレージから本を発送することから始まったアマゾンは、今ではお坊さんまで売っている。

アマゾンが成功した理由の一つは本屋からスタートしたからだ。
消費期限が無く、サイズも形もだいたい同じで、どこで買っても中身が同じである本は、インターネットで物を買うことに慣れていなかった人でも手を出しやすい商品だった。
またジャンルを限ったことで、シンプルなシステムで経験を積めたことも幸いした。

物流は一朝一夕で真似することはできない。
ソフトウェア、インフラ構築、人のスキルの全てが揃わないと運用できないからだ。
アマゾンの成功を受けて多くのインターネット小売店が生まれて消えていったのは、物流で失敗したからだった。
創業してすぐに商品数を増やしてしまったために、注文を受けても発送できず、すぐにパンクしてしまったのだ。

ドローンを使った配送や注文後1時間以内に届ける『プライム・ナウ』など、利益すら度外視した先進性を追い求めるアマゾンは、全世界の物流へ影響を与える。
アメリカではアマゾン・エフェクトと呼ばれているアマゾンの影響力は、物流業界だけでなくメーカーや顧客にもおよぶ。

物流のターニングポイント-ネット通販と宅配便の異変

この章では、「アマゾンがなぜ本屋からスタートしたのか?」という疑問から、どのようにネット通販が急成長したのかを物流の見地から説明している。

多くのショップをまとめたモール型のネット通販を展開している楽天は、物流コストを下げることができずに苦戦している。
対してアマゾンは自前の倉庫に商品をストックしているので、配送する品の数を理由に値下げが可能だ。
アマゾンの売り上げに対する配送コストは10%を超えているため、運送会社に対して強い立場をとれる体制を築くことは経営全体に影響を与えることとなる。

現在の物流を代表するキーワードから、アマゾンの成長を捉えることができる。
キーワードはストックポイントとラストワンマイルだ。

ストックポイントは顧客へ配送するための物流拠点(倉庫や店舗)のことで、配送先との距離が重要性となる。
運送料が安ければ、土地が安い郊外に建てた方が良い。
しかし、運送料は年々値上がりしているので、現状は都市部に近い倉庫を持つことが有利となっている。
倉庫以外にもストックポイントは存在する。
お酒の配達で成長しているカクヤスは、店舗をストックポイントとしている。
オフィスグリコでは、ストックポイントは顧客のオフィスとなる。
ストックポイントの適切な配置は、物流を成功させる第1のポイントといえる。

ラストワンマイルとは一つのストックポイントから顧客へ配送するエリアのことだ。
配送エリアの距離が10kmから20kmと2倍に広がると、面積としては100平方kmから400平方kmと4倍に広がってしまう。
広すぎるラストワンマイルはコストを膨大させるだけでなく、トラックの運転手への負担も増やす。
ラストワンマイルは顧客と直接やり取りをするための、リピーターの確保にもつながる。
当日配達や時間指定配達、コンビニ受け取りなど顧客満足度を高めることで、自社のファンを増やせるからだ。

ストックポイントとラストワンマイルを適切に管理することが、現在の物流業界において優位に立つ要因となるのだ。

宅配企業は人員が確保できずに危機を迎えている。
近年では配送料の値上げが目立つようになった。
対策として、アマゾンでは商品を棚から取るピッキング作業にロボットを活用している。
大きなルンバのようなロボットが、人間がいるところまで棚を持ってくるのだ。
ロボットであれば照明や冷暖房管理も不要となる。
機械化によって人件費を削減することでアマゾンは物流コストを下げることができる。

巨大アマゾンの正体-ウォルマートvsアマゾンの仁義なき戦い

ネット通販の巨人はアマゾンだが、実店舗を含めた売上高ではウォルマートが4倍以上の差をつけている。
アメリカでは、ネットのアマゾンと実店舗のウォルマートが相手の得意分野に乗り込むために熱い戦いを繰り広げている。
両者ともに卓越した物流技術をもっており、物流を強みとしているため見逃せない競争である。

ウォルマートの傘下である西友が打ち出していた「KY:カカクヤスク」は、ウォルマートの戦略である「EDLP: Every day low price 」からきている。
このEDLPは安売りをするというわけではなく、安定して安価で提供することを主眼にしている。
日本でよくみる特価をだす戦略は、需要の波が大きくなってしまい、管理コストがかかってしまう。
EDLPは需要が一定に落ち着くため、売れた量に季節などを考慮して発注すれば良い。
この方法により、ウォルマートは物流コストと商品の管理コストを抑えているそうだ。
EDLPは優れた物流無くしては成り立たない。

ライバルを力でねじ伏せるアマゾンの戦い方は、数々のライバルを生み出す。
実店舗ではウォルマート、電子書籍サービスではアップル、即日配達ではグーグル、アマゾンキラーと呼ばれるジェット・ドットコム。
アメリカではアマゾンを中心に、物流大戦争が熾烈を極めている。

物流大戦争の幕開け-アマゾンと競い合うための3つの戦略

日本のネット通販はアマゾンに対抗できるのか?

日本のネットスーパーは草分けである西友やイトーヨーカドー、イオンなどが競い合っているが、黒字化している企業は少ない。
住友商事が出資したサミットネットスーパーは、わずか5年で撤退してしまった。

アマゾンと真っ向から退治して、さらに善戦している企業の一つがヨドバシカメラだ。
通信販売部門では3年連続で顧客満足度で1位となっている。
家電に限らず日用品やスポーツ用品、生鮮食品など1000万アイテムを揃え、ラストワンマイルを自前配送にこだわることでアマゾンとの差別化をしている。
小売店をあえてショールーミング化することでグループ全体での売上を伸ばすやり方はヨドバシカメラ独自の文化だといえる。

アスクルが運営している個人向けネット通販のロハコ(LOHACO)も善戦している。
アスクルで鍛えた高度な物流システムは、ロハコでも自動化・効率化を推し進めている。
さらにロハコの特徴として、独自商品の開発にも力を入れていることが挙げられる。
ミネラルウォーターの『奥軽井沢の天然水』やゆめぴりかを最新の精米機で精米した『ろはこ米』など独特なオリジナルブランドが並ぶ。
メーカーとの共同開発ではキリンビバレッジと開発した生姜とハーブが入った健康麦茶や天然石をイメージしたロハコ専用リセッシュ(花王)などがある。

ファッション業界ではゾゾタウンが急成長している。
2600以上のファッションブランドを扱い、350万人もの顧客を抱えるゾゾタウンの売上高は1290億円を超えている(2015年)。

アマゾンと競い合うためのキーワードは3つだ。
* ラストワンマイル
* 独自商品を持つ
* ネット×店舗(オムニチャネル)

この3つのキーワードを自社の特徴と掛け合わせることで、ネット通販の巨人アマゾンと戦うことができる。

『アマゾンと物流大戦争』から得た知識をもとに、ビジネス別の適した配送方法を考えてみた

メーカーで働いていると、アマゾンのお急ぎ便には驚かされます。
急ぎの発注が3〜4件出るだけで現場は混乱するのに、毎日のように何千何万もの当日出荷・翌日到着の手続きをすると思うと神経が擦り切れそうな気持ちがします。
この仕事を当たり前のような顔してこなしているアマゾンの物流システムの強さには、消費者としては頭が下がる思いです。

毎年、利益の大半を投資にまわして物流システムの効率化と顧客満足度の向上を図るアマゾン。
既に世界最高水準の影響度に到達しているのに、ドローンによる配達や生鮮食品の取り扱い、実店舗への挑戦などと、さらなるシェア拡大に余念がありません。

個人でECショップ(通販サイト)を立ち上げて商品を販売するとして、アマゾンとどう付き合っていくか考えてみました。

アマゾンの物流システムを借りるパターン

アマゾンと仲良くやっていこうとするならば、フルフィルメント by Amazon(FBA)というサービスがあります。

「売上が伸びてきたけど、在庫を置くスペースがない」
「出荷や発送業務で手一杯なのに、返品業務まで1人でおこなうなんてムリ」

こんな悩みを解決してくれるのがFBAです。
商品の保管、注文処理、出荷、配送、返品処理までを全てアマゾンにお任せできます。

FBAを使えば、自分は魅力的な商品を見つけだせば良いだけです。
やりがいのある仕入や商品開発だけをやって、めんどくさい物流管理をアマゾンに任せる。
効率的です。

自分が探しだした商品が当たり、だんだんと売上が伸びできたらどうなるでしょう?
「たくさん仕入れて仕入価格を下げ、利益率を上げる?」

そうですね。
それをアマゾンにやられます

FBAはアマゾンの物流システムを使用しているため、なにが売れ筋商品であるかを知ることができるそうです。
私のECショップでたくさん売れるのであれば、アマゾンは同じ商品を扱いだすでしょう。
それも、個人では到底敵わないの購買力を使って、安価で大量に仕入れてくるはずです。

そうなったとき、私のECショップはアマゾンとの価格勝負に巻き込まれるか逃げ出すしかありません。
なぜなら、物流をアマゾンに握られているから。

FBAに頼りきるビジネスは、将来アマゾンと争うことになりそうです。

物流管理も自分でやる!アマゾンに頼らない場合

反対に、アマゾンに全く頼らない方法も考えてみましょう。
考えられるのは、独自の配送サービスを持つか、宅配便に頼るかです。

独自の配送サービスを持つには、自分で配送するか、人を雇う必要があります。
日用品や本といった、どこで買っても品質に違いがないお店をするならば、独自の配送サービスを持つのも手です。
富山の置き薬みたいに売る物でなく売り方で強みを持てるかもしれません。

1人で商売をしている職人さんに多いのは、楽天市場のようなモール型通販サイトに出店し、配送を宅配便に任すパターンです。
売れた分だけ配送コストを支払えば良いので、固定費を抑えられる方法です。
梱包や集荷依頼といった手間はかかりますが、一人一人に合わせたサービスを提供することもできます。
手書きのコメントなんかが付いていると嬉しくなっちゃいますよね(*´∀`)♪
つらら庵さんの千鳥ブローチを買ったときとか。
ただ、取り扱う種類が多かったり数が増えたら、配送コストが高くつくはず。
特に人件費が。
ビジネスにするならば、かなり利益率を良くしないと難しそうです。

結論

それぞれのメリット・デメリットを考えたところで、私が選ぶ配送方法です。

量産可能なハンドメイド商品やオリジナルブランドならFBAがいい。
ヒット商品をアマゾンと価格勝負する心配はないし、大口顧客になってくれるかも。

メーカーから仕入れた商売を販売するなら、独自の配送サービスを提供するかな。
店舗をストックポイントにしているカクヤスやストックポイント=販売先のオフィスグリコを真似して別の商売を扱ったりしたら可能性あるかも?

趣味でやっていたり、高級な一点ものなら宅配便。
安定した数を毎日売るのではないなら、配送コストを抑えられる方法が良い。
けれど、めんどくさがり屋の自分には向かないかなぁ。

まとめ

『アマゾンと物流大戦争』を読んだので、商売別にどんな配送方法が良さそうか考えてみました。

メーカーで働いていると、在庫管理と安定供給の難しさを実感します。
「在庫を切らさないなんて当たり前」
「頼んだものが最短の日数で届いて当然」
消費者がこう考えられている日本の物流は凄いです。

けれど、たまには配送を担っている方々に感謝してもいいかもしれません。
100%ミスしないで当たり前、年に1回の失敗でも怒られる彼らの見えない努力に支えられているのですから。

会社でもサプライチェーンの方々に優しくしようと思いました(*´∀`)♪

Camel

こんな人間が書いています。
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