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娘は誕生し、嵐を巻き起こした

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2016年8月22日 11:40
横殴りの風雨が川を溢れさせ、電車は止まり、人々が混乱した日に娘は産まれた。まるで悪の大王が誕生したかのように。

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来たる陣痛

21日
出産予定日を迎えながらも産まれそうな気配がしないその日は、こんなブログを更新していたな。

今日は出産予定日!

そのまま夜になり、明日から始まる労役に備えて床に着いた時に妻から言われた。

「陣痛が来たかも」

8月の頭から言われているセリフなので、私は段々と慣れてきていた。お腹の痛みの間隔を確認し、いつものように妻に言う。

「病院に電話してみた方がいい」

あと少し様子を見てからと断られ、いつものように若干凹む。相談ではなかったようだ。30分ほど様子を見ながらウトウトする。昼寝をしなかった休日は22時には寝たいものだ。そろそろちゃんと寝ようと思い、トイレへ篭った。座りション派である私は、その日掃除した便座に座りながらツイッターを確認する。程なくしてトイレから出ると、どこかに電話しているようだ。

「ラクダさん、病院に来るようにって」

こうして私達の長い夜は始まった。

前門の虎、後門の狼

タクシーを呼び、着替えて外に出る。既に到着していたタクシーに乗り込むと、案の定病院の場所は知らないと言う。市外だししょうがない。

「ナビを電話番号で登録してください」

運転手に伝えると、登録せずに走り出す。片手でナビを弄りながらフラフラと走り出す。なぜ電話番号なのに初めに0を押さないのか? なぜ半分くらい入力してホーム画面に戻ったのか? その間、車が左右に揺れる。 というか、前のトラックとの車間距離詰め過ぎ。 なんともスリリングな運転に怯える。妻がスマホの画面を見せてきた。

「運転下手」

なんとも直球なdisであるか。

恐怖渦巻くタクシーは23:30に病院に到着した。晴れていた空から涙が零れ落ちてきた。

かっこいいラクダ

病院で受付を済ますと回復室に送られる。

LDRに入るには早いようだが、あいにく専用の部屋は満床。あてがわれたスペースにはベッドだけでなくソファもある。

ソファの横にある窓から外を眺めるのも悪くない。はやる気持ちを冷たい空気が鎮めてくれるから。私はソファに深く腰掛け目を瞑った。

宙に浮かぶラクダ

「俺はここで死ぬのかもしれない」

病院の冷房はガンガンにかけられ、窓からは強烈な冷気が漂う。毛布はなく、唯一の救いはクッションが起毛素材だったことだけ。気持ちははやる事を忘れ、ただただシバリングを続ける。

シバリングとは

病院内は菌の繁殖を抑え、動き回るスタッフや少し動くだけでも体温があがる妊婦に合わせる為低温になっていた。

布団に包まる妻に尋ねる。

「お腹痛い時は知らせてよ、腰を撫でるからさ」

私は妻の布団に足を入れる。こうすれば声を出さずに知らせられるだろう。

私は掛布団を手に入れた。

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6畳のLDR

22日 5:00
陣痛の間隔は短くなり、LDRに移動することとなった。LDRとはリビングとダイニングが繋がった部屋で、一人暮らし憧れの間取りである。

陣痛(Labor)、分娩(Delivery)、産後の回復(Recovery)までを同じ部屋で行えるため妻に好評だ。6畳ほどの部屋にソファとベッドが置かれている。ソファに横たわり思う。

「少しは寝るれるかな?」

これからが本番だという事を、私は知らなかった。

秒速5センチとかめはめ波

私は孫悟飯になっていた。片手かめはめ波の体勢をとりテニスボールを手のひらに乗せる。背後には孫悟空、狙いは妻の尻だ。全体重をかけるために体の傾きは斜め45度を目指す。約1分間のかめはめ波を2分のインターバルを挟むで行っていた。

「右手も左手もボロボロだ。眠気と疲労でフラフラするし、尻に向かってボールを押し込んでる状況が謎すぎる。世界は理不尽で溢れている」

思考能力が衰える。

これから出産に立ち会う旦那さんへ

キャメル
テニスボールでお尻を押すといきむのを流しやすいらしく、かなり喜ばれるよ。疲れるけど頑張ろう

2時間ほどかめはめ波を続けた後、助産師さんからいきむ事を許可された。体の準備はOKだ。

いきむとは-weblio

いきみに合わせて腰の撫でる。

「腰が割れるように痛い〜」
スリスリスリスリ

「そんなに早く撫でられると焦る」
スリ〜スリ〜

「弱いと気持ち悪い」
ズリーズリー

「痛い!」

なかなか難易度の高い撫でまわしであった。しっかりと触れて、秒速5センチ未満の速度で動かすのがコツ。

ここら辺で疲労のピークを迎え、私は座りながら意識を失った。

キャメル
センサーのディスプレイに表示されたTOCOの数字に注目! この数値が上がると、陣痛がきている証。数値を読んで先回りして動くとポイントアップ!

ラクダ 落ちる

「ここはどこだ?」

10分ほど寝ていたらしい。

「ラクダさんも疲れてるから」

妻が優しく微笑んでくれる。自分の方が疲れているのに。

母体の体力を考え、陣痛促進剤が使用される。初産の場合産道が開きにくいらしく、娘もなかなか出てこれないらしい。
少しずつは下りてきているようだが、子宮の収縮を助ける必要があった。分娩体勢に入っているので腰を撫でることもできない。やれることといえば側に居て頭を撫でたり声をかけたりするくらいだった。

可愛い!

11:40
ついに娘が誕生した!

「ふにゃ〜」

鳴き声が子猫のようで可愛い!

興味深そうにこちらを見る眼が黒目がちで可愛い!

抱いても触っても泣かない、可愛い!

泣きそうな顔からのアクビがブサイク、可愛い!

なんか全体的に毛深い、可愛い!

他の子と見分けがつかない、可愛い!
(今は見分けがつくようになりました、可愛い!)

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感想

いまだに実感が湧きませんが、父になったようです。娘の名前を呼ぶのが照れくさく、ちゃん付けどころかさん付けで呼んでしまってます。これは直さないと! 慣れてしまうと大きくなっても直せないみたいなので。

しっかし、自分の子供は可愛いですね。長い間乳幼児と触れ合う機会があまりなかったので可愛がれるか心配でしたが、何も問題ありませんでした。初めて抱き上げた時は少し泣かれましたが、すぐに胸の中で眠る姿なんてヤバイですよ! こっちが「ふにゃ〜」ってなります。

今週金曜日に退院するので、今は毎日定時にあがり病院に行っています。仕事なんて放置ですよ。日々の暮らしの彩りって感じ。このテンションを維持しつつ、ウンチオムツの交換に挑戦したいところだけど、できれば避けたい気持ちもある。でも、先に延ばして良いことなんて1つもないしなー… 臭いですかね?

これから病気をしたりなんなりと問題が出てくるとは思いますが、家族3人で支えあって進んでいこうと思います。

長い文章でしたが読んでくださった方、ありがとうございます。Twitterにコメントくれたら喜びます♪
よろしくお願いしまーす。

こんな人間が書いています。
プロフィール

グロ注意

妻が見たかったらしく、助産師さんが胎盤を 持ってきてくれました。ビニール手袋越しですが、人間の内臓を触ったのは初めて。気を使ってくれて、少し冷やしてくれてました。体温だとショックが大きいからね。

胎盤の触り心地は柔らかい。ふわって感じかな。ほとんど押し返される感じはなかったよ。指で押しても崩れたりはしない。

卵膜の触り心地は、結構固かった。見た目はニワトリの卵の膜に近いけど、だいぶ厚手。3層構造になっているらしいよ。これが赤ちゃんを守っているんだね。安心の防御性能だと思う。
胎盤って卵膜の外側にあるって知ってた? 赤ちゃんとへその緒で繋がってるんだから、卵膜の内側だと思ってたよ。子宮内膜、胎盤、卵膜の順で、へその緒は卵膜を貫いているんだね。これは勉強になった。

へその緒の触り心地は、シリコンの棒みたい。固いんだけど柔らかさも感じる不思議な触感。軟骨にも似てるかな。3本の血管が通っていて、ちゃんと栄養を送ってたんだなーって感心したよ。

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『娘は誕生し、嵐を巻き起こした』へのコメント

  1. […] いやー、しかしハプニングの多いお宮参りでした。朝から大雨! 生まれた時も台風でしたので、この子は完全に雨女だなと。 […]